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【ニュース】日建連・意見交換会を振り返る・上/週休2日を実現しても残る課題

【建設工業新聞 6月 24日 1面記事掲載】

 

 

日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)と国土交通省地方整備局など公共発注機関による2024年度「公共工事の諸課題に関する意見交換会」が17日、名古屋市内で開かれた中部地区の会合をもって全日程を終えた。4月から時間外労働の上限規制が適用されている中、いかに現場の負担を減らして生産性向上を図り、建設業界の魅力を高めるかに焦点を当てた議論が交わされた。

 

 

「受発注者双方が、時間外労働の上限規制を前提とした仕事の仕方に変えていかなければならない」。意見交換会の場で清水琢三副会長土木本部副本部長はそう訴えた。建設現場の週休2日は広がりつつあるが、日建連の23年の独自調査によると、多くの現場で時間外労働の原則ルールに抵触している実態がある。「週休2日ができたとしても課題が残っている」(清水副本部長)と指摘した。

 

 

働き方改革のテーマで日建連が求めたのは「適正な工期設定と条件明示」「設計変更協議の円滑化」「工事関係書類の削減」など。日建連が直轄の道路・河川現場を対象に23年11月に実施した調査によると、「時間外労働削減に必要なことは何か」(複数回答可)という質問に対し、「適切な工期設定」(54%)、「適切な工期延期」(38%)、「精度・質の高い設計図書」(32%)が上位を占めた。

 

 

発注者側からは前向きな回答が相次いだ。近畿整備局は本年度から予定価格3億円以上の工事で「土日閉所指定型」を採用。北陸整備局は「週休2日適正工期宣言」という独自の取り組みを展開し、地方自治体に対しても適正工期での発注を促している。中部整備局は今年、「提出されがちな不要書類リスト」をまとめ、現場職員に対しても不要な書類提出を求めないようにしていると説明した。

 

 

日建連の池田謙太郎インフラ再生委員長はこれらの取り組みを評価した上で、「先端の現場で実現されることが何よりも大事」と強調。「日建連も一緒に車の両輪として働き方改革を進めていく」と協力の姿勢を見せた。

 

 

持ち越された課題もあった。24年度を迎え、同じく時間外労働の上限規制が適用された運輸業界や生コン、クレーンといった業界の働き方が建設現場にも影響し始めている。押味至一副会長土木本部長は「来年にはこれらの業界の動きを加味した内容で議論しなくてはいけない」と今後の展開を見据える。

 

 

 

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出典元:wisePDS

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